月の窓から

Late, by myself, in the boat of myself

満月を過ぎて

数ヶ月前に初めて公募に参加してみた。 大好きなShe isというwebメディアの公募で、メンバー限定記事で紹介していただけた。 https://twitter.com/sheis_jp/status/1033321864305635328 思考停止をせず、答えを出しきらず、何かと何かの常にあわいを行き来し…

「なにも知らず、ひっそりと生きて、ひっそりと死にたい」

「なにも知らず、ひっそりと生きて、ひっそりと死にたい」 統合失調症と20年以上の闘病生活を送っているひとがそうつぶやいた。 受けてきた差別の数々。 職場では「戦力外」。 家庭環境も悪く。陽性症状は年単位で悪化。 薬の副作用のアカシジアで歩くことも…

ロータスイーター

ホメロス「オデュッセイア」より。 トロイア戦争の勝利のあと、帰還する途中、オデュッセウスの船は難破し、ある島にたどり着く。 偵察に出した部下たちが戻らないのを探しに行ったところ、彼らは蓮の実を食べ、何もかもを忘れてしまっていた。 オデュッセウ…

光あつめ

久しぶりに山へ行き、なんてことはない小さな流れに向かって、シャッターを切る。絞りを開放し、シャッタースピードと感度を変え、何十回とシャッターを切る。 光が点になり、線になる。初めてということでもないのに、そのことにはっと驚き、シャッターを切…

梅雨と花

雨のささやきは弱く発光するように、私のすぐそばにいる。 さようならの言葉も届かないくらい、遠く離れてしまった。 外へ出ると、勿忘草が今年の花を終えるところだった。 ビニール傘に大きな雫が流れる。 「笑っていた私のことを覚えていて」 不意にそうこ…

雨の日のレモンサワー

風邪をこじらせて咳が1ヶ月以上止まらなくて、楽しかったジョギングにも行けない日々が続いている。 読みたい本もやりたいことも山ほどあるから退屈しないけど、そうこうしている間に雨の季節がやってきた。 雨だからレモンサワーが飲みたくなって、久しぶ…

バラの花

バラの花。アフロディーテの花。完全な美。ずっとバラの花が苦手だった。 欠けることも、慄くこともなく、愛でられることを自明と感じているかのように、匂い高くバラは咲く。 だから舞台の外の世界の外れで息をしている自分には、直視できなかった。 神谷美…

愛と性愛と正しさのあわいで

セックスという行為について知るよりずっと前、物心ついた頃から、男のひとと愛し合うことは夢だった。やがて男のひとと寝るようになって、恋愛と性愛の分かち難さを認識するようになった。 愛し合うことは夢だったけれど、それが身近な日常や現実においてど…

タバコをやめた話。

「え!タバコやめたの?まいちゃんが?すごい!」 マルグリット・デュラスに似ていると言われていた私が、タバコをやめてもうじき2年になる。 今や同僚のタバコ休憩について行っても平然としている私だけれど、重度のタバコ依存症だった。アメリカン・スピ…

選択するということ

「子供は親を選んで生まれてくる」「すべて自分の意志で選んだ(あるいは引き寄せた)こと」「私たちには無限の可能性と無限の選択肢がある」――選択にまつわるスピリチュアルや占い界隈の言説によくあるけれど、たとえば私はこれらの言葉に与しない。そこで…

お正月と今年の目標

長い冬休みが終わりに近づいている。年越し合計約13000字の文章を書き終えて、やっとお正月気分。 書いた13000字のうち、闘病生活の棚卸をしたのが8000字くらい。 これは約1ヶ月後にあるサイトで公開になるかもしれないし、ならないかもしれない。 残りの500…

2018年の12星座占い

新年なので今年一年の占いを手慰みに書いてみる。 今年は革命の星・天王星が牡羊座から牡牛座へ移動することに加えて、土星・海王星、秋からは木星が本来の座に入って力を発揮する年。 専門知識はさておき、12星座占い。 牡羊座 山の頂上で受け取るかけがえ…

性被害に関するいくつかの提言

インターネットは大概騒がしいものだけれど、最近の大きなトピックとして #metoo発信、 伊藤詩織さん、はあちゅうさん、をはじめとした性被害の告発ブームがあるだろう。 伊藤詩織さんにしろはあちゅうさんにしろ、巨悪に立ち向かう勧善懲悪のストーリーがそ…

サイボーグの町と獅子座の火星の話

2017年も終わりが近づく今日この頃、来年の占星術的な話題といえば天王星の牡牛座入りが筆頭だろう。 天王星の移動といえば、2011年の震災の翌日に牡羊座入りしたことから、予言的な言説が流布していたと聞く。 占星術のイベントと出来事の間に、「影響」と…

のぼることとおりること。あるいは世界を変える方法と、変えられないことについて。

自己紹介を兼ねて。 最近の私は昼間、世界を変える仕事をしている。 具体的には決済サービスを普及させる仕事をしていて、これは本当に幸運な巡り合わせだった。 なにしろ数クリックで寄付ができる世界を作ることは、あの震災直後からの念願だったからだ。 …