月の窓から

Late, by myself, in the boat of myself

梅雨と花

雨のささやきは弱く発光するように、私のすぐそばにいる。

さようならの言葉も届かないくらい、遠く離れてしまった。

 

外へ出ると、勿忘草が今年の花を終えるところだった。

ビニール傘に大きな雫が流れる。

「笑っていた私のことを覚えていて」

不意にそうこぼれた。

 

雨はそばにいる。顔を上げると、紫陽花が玉飾りのように咲いていた。f:id:barkfromthemoon:20180610183801j:image