月の窓から

Late, by myself, in the boat of myself

雨の日のレモンサワー

風邪をこじらせて咳が1ヶ月以上止まらなくて、楽しかったジョギングにも行けない日々が続いている。
読みたい本もやりたいことも山ほどあるから退屈しないけど、そうこうしている間に雨の季節がやってきた。
雨だからレモンサワーが飲みたくなって、久しぶりにひとりで新宿に来ている。

そういえば麻疹の予防接種を1回しか受けていないはずの世代だけれど、私はずいぶん昔に2回目の接種を受けていた。母が受けさせたのだ。...
そのことをとても嬉しく誇らしく思う。

しとしと、しとしと、降る雨を潜り抜けて、秘密基地のようなバーに辿り着く。
書棚にあった、室生犀星の描く萩原朔太郎に関する文章を読みながら、甘いレモンサワーを飲む。
萩原朔太郎はいつも伏し目がちで、怯えたようにひとを見るひとだったという。そこに室生は朔太郎の「いじらしさ」を見ていたとか。

ひとの有り様を語る言葉の豊かさ。
私が花を見るとの少し似ている。

私は母の美しさを知っている。
 

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